あくだま - LDLコレステロール -

動脈硬化と戦うブログです。

能力への向き合いかた

ワンチャンあるよ!君たちは脳神経細胞の可塑性により、潜在的に素晴らしい能力を秘めている。という話。

 

引き続き「海馬 脳は疲れない」の4章を読んだ。これが最終章だ。

ここではクリエイティブ能力についての話が気になった。頑固は良くないという、またセンスは記憶が関係しているという。天才といわれる人についての話があったが、感じた事が今回書きたいテーマとは違ったため、別途書けたらと思う。


まず、頑固とは脳の可塑性を放棄することと等しい。脳にとって頑固という状態が設定されてしまうと、新しい記憶の組み合わせを生み出さなくなるため、新しい発想も生まれなくなる。

よって、クリエイティブ能力を求めるなら頑固さなんか捨ててしまおう。
でも頑固さを捨てて人に流されるようになってはダメだ。あくまで頑固さだけを捨て、どんな情報でも一度自分の中で受け入れて、自分の考えとして行動や考えを決めていく事が大事だ。そんな風に思った。


センスと記憶についでだが、人間の認識は感性を含めて、記憶の組み合わせでできているという。

サルを使った実験で、物を見た時に脳のどこが反応するかを調べたら、反応する細胞が数十万〜数百万個しか存在しなかったそうだ。ここである矛盾が発生したらしい。世の中の物は、先ほどあげた細胞の数よりたくさん存在する。

もし、物ひとつひとつに対して細胞が記憶している仕組みだと破綻してしまう。ということは、覚えられる量は限られているということだろうか。

そんな訳で別の実験。サルにある物を見せた時と別の物を見せた時に、脳の同じ場所が反応する可能性はないのかという実験を行った結果、脳は四角や丸、模様などの図形パターンを組み合わせて物を判断していたという。

そして図形パターンの組み合わせ数は個体それぞれ異なるため、同じ物をみても認識が異なるのだそうだ。

この図形パターンは現状でも500パターンぐらい見つかっていて、10パターンぐらいを組み合わせるだけでも、天文学的な数の図形パターンが生み出されるらしい。脳はこの組み合わせを利用して認識を行っている。

さらに、組み合わせは個人で異なるという。これが感性の違いにつながっている可能性が高いという。

私は、一般的に感性が優れている人とは、この図形パターンが他の人より多い、もしくは鮮明な人なんだと思う。2章の話からずっと感じているが、やはり経験を増やすという事が大事だ。経験が増えるとそれだけ新しい認識パターンが増えることになり、感性が豊かになると考えるからだ。

 


1章〜4章まで気になった事を書いてきた訳だが、最終的なまとめとして、私が本書で感じたことは、自分も含め人間の能力に対する可能性だ。

脳は疲れないし(生体機能として)、飛躍的な成長をする。そして、経験を増やすことでセンスも磨かれていく。

これまで、アホのように頑張ったことは能力として身に付くと実感してきたが、なんとなく根性論くさくて、人には話したことがない。根性論が嫌いという訳でないが、なんか言葉にするのが嫌いだ。なんか薄っぺらくなるし、そうなるとなんかこれまで頑張った事も、その瞬間薄くなりそうで。だって、「頑張れば絶対できる!」なんて言葉になってしまうからだ。。

しかし、この本を読む限り、脳というのは、根性論というか、「必死に」とか「努力」とか「可能性」とかは、脳の成長の仕組みとしてバッチリはまっている。

記憶についての重要器官である海馬は、生存に必要な情報を優先的に処理するため、「必死に」取り組むと効率的に記憶として定着する。

さらに海馬が必要だと判断した情報を、脳は全パターン組み合わせる。そのため、人の能力は時間に比例して向上するのではなくべき乗で向上する。これは、「努力」の成果はべき乗で現れるといえる。

そして、身に付く能力への「可能性」については、脳の神経細胞の特性である可塑性が証明している。神経細胞はどんな人間も等しく形状を変えられる。つまり、人は潜在的にはどんな能力でも身に付ける可能性があるということだ。

 

もともと、私にはやりたい事があり、その勉強の効率について考えたときに、脳の仕組みを少しでもいいから押さえておきたいと思ったのが、このテーマについて調べるきっかけだった。

まぁ、上記のまとめについて現実的にはそう上手くいかないのは分かっているけど、私にとってのモチベーションとしては充分だ。これで安心して勉強ができるなら、儲けものだと思う。

 

めでたし。